このページはサッカーの試合で実力が発揮できるメンタル トレーニングを5つ解説しています。

サッカーの試合で、過度な緊張から実力が発揮できなかった悔しい思い出はありませんか?
競技者としてサッカーをしていた時に、緊張で上手くプレーできなかった経験があります。
ポジションがGK(ゴールキーパー)だったこともあり、(私のミス=失点)=失敗のネガティブな考えを持っていました。
プレーに限らず、性格的にもネガティブな思考が多かったです。
大学で心理学を学び、認知行動療法はメンタル トレーニングとしてスポーツの現場で活かせると感じました。
認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。
認知は「ものの受け取り方」「考え方」という意味です。
ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきます。
認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。
引用:認知行動療法センター
メンタル トレーニングを知り、それを実践することで、試合でも実力を発揮できる精神状態になります。
緊張が体にもたらす3つの変化
緊張はパフォーマンスを低下させるのか?
筋肉の硬直により、動きが鈍くなる、地に足がついていない。
そんな経験をしたことがある方も多いのでは?

- 「低緊張」の状態では、高いパフォーマンスは出せない。
- 「過緊張」の状態では、高いパフォーマンスは出せない。
「望ましい心理状態」のゾーンに入るようメンタル トレーニングを実施します。

血圧の変化
緊張により、交感神経が興奮すると、血管は収縮して血圧は上がる。
血液は血管を通り筋肉に酸素と栄養を送ります。
心臓の動きに合わせて血管が拡張と収縮をくり返せることが高いパフォーマンスに導きます。
自律神経の変化
過剰な緊張時は交感神経が優位になります。
交感神経が興奮すると心拍数を早くし、内臓の動きが悪くなる。
内臓の働きが悪いと、食事の消化吸収が十分でない状態です。
食事から栄養を摂取し、栄養を体に蓄えていることで高いパフォーマンスが発揮できます。
詳しく知りたい方はこちら
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ATP(アデノシン3リン酸)を再合成させる、3つのエネルギー供給を簡単に解説
筋肉の変化
緊張から筋肉の収縮が過剰になります。
肩に力が入り、動作が鈍くなったり、呼吸筋群の活動不良から呼吸が浅くなったりします。
筋肉が骨と骨をつなぎ、関節をつくります。
高いパフォーマンスを発揮するには関節の十分な可動域が重要な要素です。
関節の可動域は、筋肉の物質的に関係する可動域と、脳神経からつくりだされる運動連鎖的な可動域があります。
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理学療法士がつくる痛みと原因の説明書!
運動連鎖で超重要な4つのポイントとは?! 骨盤と足関節の動きを理学療法士がご紹介!
メンタル トレーニング5選
目的:体を強くする
手段:バーベルを使ったフィジカル トレーニング
目的:心を強くする
手段:メンタル トレーニングの実施
フィジカル トレーニングと同じように、メンタル トレーニングで心のトレーニングに取り組んでもらいたい。

5つのメンタル トレーニングを解説します。
目標設定
具体的な目標を立てることが目標達成への近道です。
「矢印が向く方向を定める」目標設定には5つのポイントがあります。
- 低い目標設定
抽象的で長い時間を要する目標ではなく、実現が可能な目標を設定する。 - 具体的な目標の設定
目標は数値化できるもので、その目標に対して評価ができるとうにする。 - 長期目標と短期目標
年間目標、月間目標とする長期のものと、1試合ごとの短期のもとを設定する。 - 個人目標を重視
チーム目標の達成に向けて活動しながらも、個人の目標を設定する。 - プレー目標も重視
試合の勝ち負け、数値化された目標だけでなく、理想とする考えや動きの目標も大切にする。
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目標設定5つのポイントSMARTとは?メンタル-トレーニングでスポーツパフォーマンスを上げる!
目標設定の注意点

目標設定には注意点が2つあります!
敵意が生まれる

結果だけを重視すると敵意が生まれます。
自分が応援しているスポーツチーム以外は「悪いチーム」と敵視してしまうことはありませんか?
それは選手内でも起こる可能性があります。
チーム内でポジションを争っているとき、チーム内で敵をつくり戦うことになります。
過度なポジション争いは、チーム全体のパフォーマンスを落とすことになります。
大会では、どのチームも優勝を目指すわけですが、相手チームへ敬意を持つことで競技がスポーツとして存続できます。
コントロールできない目標

目標設定はコントロールできるものと、コントロールできないものがあります。
タイムを競うスポーツの場合は、自己新記録を出す目標設定はコントロール可能です。
しかし、「優勝」するという目標は、他の選手がよりよい記録を出してしまった場合、「優勝」することはできない。
つまり、コントロールできない目標です。
メンタル マネジメント
心の状態を調整する。
自分が緊張していることを知り、緊張と向き合うことで緊張を和らげる。
- 自律神経のコントロール
自律神経とは交感神経と副交感神経がある。
昼間や活動している時は交感神経が優位に、夜間やリラックスしているときは副交感神経が優位になります。 - 動作のルーティーン化
高いパフォーマンスをために、成功の妨げとなる思考や行動を除いていきます。
動作をルーティーン化することで、同じ環境と体の状態でプレーすることができます。 - 思考の変換
失敗した場面を思い浮かべてネガティブなイメージを持ちやすい場合は、成功したことを前提に「ガッツポーズ」や「良いプレー後のコメント」を考えるようにします。
心理的ウォーミングアップ

気持ちが低い場合は、高揚感、興奮を高める技を知る。
- 音楽の効果
- ホルモンの働き
音楽の効果
音楽には曲調によって自律神経を調整する効果があります。
リラックスしたい時は高音域のメロディー、ゆらぎのリズム、心地よいリズムはがよいと言われている。
気分を盛り上げたい時は低音域「ロックミュージック」を聴くと、闘争心が上がると言われています。
ホルモンの働き
大脳皮質と筋肉は神経を介して直結されていて、筋肉を動かす事で「幸せホルモン」といわれるセロトニンが分泌されます。
セロトニンは脳幹にあるセロトニン神経から分泌される神経伝達物質の一種で、頭がスッキリします。
考えもポジティブになり、ポジティブな思考で試合に挑むのは心理的なウォーミングアップとして重要です。
セロトニンの分泌は身体活動により、体温が上昇することで、分泌されます。
試合前のウォーミングアップでもポジティブな思考になるように働きかけましょう。
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イメージトレーニング
イメージトレーニングは緊張を和らげる効果があります。
成功体験を具体的にイメージすることでその効果があらわれます。
- 良いイメージ
- ロールモデル
良いイメージ
頭の中で良いプレーをくり返すことで、実際にその通りに体を動かすことができます。
会場や気候に合わせ、具体的なイメージができるとさらに効果的です。
一流プレーヤーはグランドの芝の状態もイメージできるようです。
グランド状況のイメージ

大雨で濡れたグランド、足場が悪いから軸足が滑らないように体重移動に気をつける。
芝のグランドならパス スピードの調整が必要
試合時間のイメージ

夜の試合はボールがライトにボールが重なり、ヘディングしにくいという想定を事前にする。
ロール モデル
試合前に目標としているプロ選手の動画を観て、その選手になりきる事でプレーが具体化します。
同じ競技のプロ選手でなくても、その人物の考え方や行動を真似することはできます。
引用:ValmortS
スポーツ選手の自伝や自己啓発本はこれあたります。
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集中力(コンセントレーション)
練習から試合のような緊張感をもつことで、試合で緊張していても通常通りのパフォーマンスを発揮できます。
試合と練習の環境を近づけることが、過度な緊張をしないポイントです。
練習から集中力を高くプレーをおこない、それを試合でも変わらず発揮して下さい。
- アイ コントロール
- ゾーン状態
アイ コントロール法
アイ コントロール法とは、緊張を誘発するような目からの情報を遮断することです。
観客が大勢いるスタジアムでサッカーをプレーする場合、スタンドの人に自分のプレーを見られていると思うと緊張する。
景色(スタンド)を排除してサッカーコートに立つ選手とボールだけを厳選して見ると、いつもと変わらない環境でプレーがしやすい。
ゾーン状態
ゾーンとは、集中力がとても高い状態でで、自分の感覚が研ぎ澄まされることをいいます。
時間の経過を早く感じたり、疲労感を感じない状態で、それは高い集中により外的な影響を排除するからです。
中枢神経の疲労は脳の使い方次第ともいえます。
疲労の原因
運動時には、運動強度や体調に応じて呼吸や心拍、体温などの機能の調節を行っています。
身体へかかる負荷に合わせて生体機能のコントロールを行う自律神経の中枢も働き続けます。
運動によって体にかかる負荷が大きくなるほど、自律神経の中枢にかかる負荷も大きくなります。
それは、自律神経の中枢がある脳がダメージを受けることで疲労が起こるとされています。
健康長寿ネットより引用
アドレナリンについて
選手が試合中に足を捻挫し、試合中は問題なくプレーしていても、試合後に強い痛みを訴えてくる選手もいます。
「アドレナリンが出ていたので試合中は大丈夫でした!」そんなことを言ったりします。
アドレナリンとは交感神経が興奮状態にある時に副賢髄質(ふくじんずいしつ)より分泌されるホルモンです。
ここまでは、選手が高いパフォーマンス発揮できるメンタル トレーニングを解説しました。
指導者におすすめの本
指導者の方は選手が緊張している時に、どんな言葉をかけていますか?
緊張している選手がさらに緊張するような言葉がけをしていないでしょうか?
指導者の方も試行錯誤の連続だと思います。
私がチーム サポートを始めたときに参考にさせていただいた本です。
指導法を固執せず、言葉の選択と伝え方を変えるだけで、指導の幅が広がると考えます。

ぜひ、読んでみてください。
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いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング
著者:飯山晄朗 メンタル-コーチ
発行所:秀和シスエム
- 「やらなきゃどうなる」ではなく「やったらどうなる」を伝える/ワクワク感を与えれば、想像以上に頑張り出す。
- 「目標は?」ではなく「一年後にどうなっていたい?」と聞く/「夢が叶うかも」という気持ちにさせれば、どんどん気を高めていく
- 「力むな!」ではなく「力を入れてみろ」と言う/いったん力を入れてから力を抜けば、力みがほぐれる
いまどきの子を「本気」に変えるメンタルトレーニング
著者:飯山晄朗 メンタル-コーチ
発行所:秀和シスエム
- 「勝てない」と思っている子には、「勝って喜ぶ場面」の練習をさせてみる/「勝てる」という気持ちをつくれなければ、勝てるものも勝てなくなる
- 「集中力がつづかない」子には、「集中スイッチ」を作ってあげる/視線を一点に定めるだけで、集中力は自然と湧いてくる
- 「緊張しやすい」子には、「ゆっくり動く」ことを意識させる/緊張感は、頭ではなく身体を使わないとコントロールできない
まとめ
このページでは試合で実力を発揮できるメンタル トレーニング5選を紹介しました。
緊張することでパフォーマンス低下の原因となるものは何か?
- 血圧の変化
- 自律神経の変化
- 筋肉の変化
メンタル トレーニングを実施することで過度な緊張をすることなく、高いパフォーマンスを発揮することができます。
- 目標設定
- メンタル マネジメント
- 心理的ウォーミングアップ
- イメージ トレーニング
- 集中力(コンセントレーション)
指導者の方にオススメの本も紹介しました。
「選手が緊張で実力が発揮できていない」と感じている方に読んでいただきたいです。
コーチングの声のかけかたによって、選手のパフォーマンスは上がります。
メンタル トレーニングを知り、実践することで、スポーツ パフォーマンスを高めることができます。
スポーツパフォーマンス理論は「運動」「精神」「休養」「栄養」の4つの要素からつくられています。
その中の「精神」の要素を高められるのがメンタル トレーニングです。
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