ATP(アデノシン3リン酸)を再合成させる、3つのエネルギー供給機構を簡単に解説

スポーツパフォーマンス理論
フィジカルコーチ<br>秋山拓実<br><a rel="noreferrer noopener" href="https://funfunfitness.jp/profile/" data-type="page" data-id="88" target="_blank">【Profile】</a>
フィジカルコーチ
秋山拓実
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 スポーツ選手も運動生理学の知識をもつことで、トレーニングの質が上がり、競技力の向上が期待できると考えています。今回は人体のエネルギー供給その再合成についての解説です。スポーツ競技の中でエネルギー切れを感じ、それを課題にしている方は、課題解決になれば嬉しいです。

筋収縮をするとき、エネルギー源となるのがATP(アデノシン3リン酸)です。植物は根から養分を吸収し、葉に光を集め、光合成という化学変化(リンク)によりエネルギーを生成します。私たち人間はどのような化学変化をおこし、ATP(アデノシン3リン酸)をせ合成しているのでしょうか?

ATP(アデノシン3リン酸)のエネルギー発生

 人間の細胞内にミトコンドリアという細胞小器官があり、そこでATP(アデノシン3リン酸)が生成されます。ATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に分解されるときにエネルギーが発生し、筋の収縮のエネルギーになります。

筋の収縮をくり返すためには、分解したADP(アデノシン2リン酸)に新たなリン酸を結合させることでATP(アデノシン3リン酸)を再合成させます。リン酸を結合させる経路は3つあり、それぞれ特性と必要とされる分子が異なります。

ATP(アデノシン3リン酸)再合成の3つの経路

ADPにリン酸を結合させ、ATP(アデノシン3リン酸)に再合成させるには3つの経路があります。

\ATP(アデノシン3リン酸)再合成の3つの経路/

  • ATP-CP系/クレアチンとリン酸の作用によって再合成される
  • 解糖系/糖質の多段階の分解によって再合成される
  • 有酸素系/TCA回路により再合成される

3つの経路特性をそれぞれ解説します。

ATP-CP系によるATP(アデノシン3リン酸)の再合成

エネルギー供給CP系
クレアチンリン酸のはたらき

 筋に貯蔵されているクレアチンリン酸クレアチンリン酸に分解するときにエネルギーが発生します。それを利用してATP(アデノシン3リン酸)の再合成をおこないます。

ATP‐CP系は爆発的な力を発生し、人がスプリントする時の初動作で活躍します。しかし、枯渇しやすく、長くエネルギーを発生できない特性があります。

クレアチンとは

体内のアミノ酸(アルギニン・グリシン・メチオニン)によって肝臓や腎臓で合成されます。

食事から摂取する場合、生肉や魚に多く含まれているといわれています。瞬発力の発揮で勝負を分けるスポーツでは、サプリメントとしても人気があります。

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リン酸とは

体内に存在する電解質の一つです。

エネルギー再合成のほか、骨や歯の形成に欠かせない物質です。リンは牛乳や卵黄などに多く含みますが、他の食品にも含まれているので意識して摂取する必要はありません。

解糖系のATP(アデノシン3リン酸)再合成

エネルギー供給解糖系

 筋に貯蔵されている糖質が多段階の分解を経て、ピルビン酸という物質に変化します。そのときに発生するエネルギーを利用してATPの再合成をしています。糖質は血液中にグルコースとして貯蔵され、主にそれを分解してピルビン酸をつくっています。

高強度のスプリントの時に使われるエネルギー経路で、ATP-CP系ほど爆発的なエネルギーの出力はありませんが、30秒ぐらい継続してエネルギーを出すことができる。

糖新生とは?貯蔵されたグリコーゲンを使う

運動中は血液中のグルコースをエネルギー源として使います。しかし、血液中のグルコースは枯渇してしまうので、筋や肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを使うことになります。

筋と肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解して血液中にグルコースを作り出す働きを糖新生といいます。糖が筋と肝臓に入るときはグリコーゲンになり、血液中に入るときはグルコースになる。

運動後の肉体的な回復を早めるには、筋や肝臓、血液中に使われた糖を補給させることが大切です。

スポーツドリンクの糖質含有量

運動で糖質が使われ血糖値の低下は、パフォーマンスや思考力の低下に関係します。スポーツドリンクで糖質の摂取も推奨します。

ポカリスエット6.2g/100ml

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有酸素系のATP(アデノシン3リン酸)再合成

エネルギー供給有酸素系

 解糖系で生成されたピルビン酸や血液中の脂肪酸がミトコンドリア内にあるTCA回路に取り込まれます。TCA回路にてATP(アデノシン3リン酸)が再合成される。

3つの経路の中で、大きな出力はありませんが持久力的な運動で活躍します。

TCA回路とは

TCA回路とは、tricarboxylic acid cycle(トリカルボン酸回路)の略です。

ミトコンドリアのマトリックスで行わっれる9段階の環状の代謝経路です。

【TCA回路Wikipediaのリンク

脂肪燃焼のメカニズム

エアロバイク有酸素運動

ダイエットを目的に運動に取り組んでいる場合、脂肪を減らすのは有酸素運動です。有酸素運動は脂肪から分解された脂肪酸をエネルギーとして使うため、脂肪が減るというメカニズムです。

ATP(アデノシン3リン酸)とマラソンが速くなる関連性

マラソン競技などの有酸素持久力のトレーニングを積むことによって、細胞はミトコンドリアを増やす適応力を発揮します。ミトコンドリア内でTCA回路は働くので、ミトコンドリアの数が増えることによって、ATP(アデノシン3リン酸)も多く再合成されると考えられます。

ミトコンドリア内で多くのATP(アデノシン3リン酸)が再合成されるので、有酸素持久力が向上するという関連性があります。

高地トレーニングがもたらす細胞への効果

selective focus photographed of green mountain

山などの高地では酸素濃度が低いです。低酸素の条件下でのトレーニングは、少しでも多くの酸素をエネルギーにしようと細胞が増える働きがあります。

有酸素持久性の高いマラソン選手はミトコンドリアの数が多く、有酸素系のエネルギーの再合成能力が高いといえます。それにより、特化した能力を発揮すると言えます。

まとめ

 筋肉の収縮活動がおこるのは、ATP(アデノシン3リン酸)がエネルギー源として働いているからです。人間の細胞内にあるミトコンドリアでATP(アデノシン3リン酸)が生成され、ATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に分解されるときにエネルギーが発生します。

 分解されたATP(アデノシン3リン酸)を再合成させることで、筋肉の収縮活動が継続しておこなわれます。再合成には3つの経路があります。

\ATP(アデノシン3リン酸)の3つの経路/

  • ATP-CP系
  • 解糖系
  • 有酸素系

ATP-CP系は筋に貯蔵されているクレアチンリン酸の分解によって再合成されます。

解糖系は筋に貯蔵されている糖が多段階の分解を経て、ピルビン酸という物質に変化するときに再合成されます。

有酸素系は解糖系で再生されたピルビン酸や血液中の脂肪酸がミトコンドリア内にあるTCA回路に取り込まれ再合成されます。

3つの経路はそれぞれ特性がことなり、発揮されるスポーツの場面が異なります。スポーツ競技の特異性を把握したうえで、エネルギー供給がおこなわれる体をつくってください。エネルギー供給が十分にされる体はパフォーマンスが高まることが期待できます。

コメント

  1. 匿名 より:

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