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アスリートのパフォ―マンスを向上させるスポーツパフォーマンス理論をフィジカルコーチ秋山拓実が発信しています。
スポーツ競技では足の速さがプレーの優位を決める場面が多いです。
「足が速くなる」トレーニングをしようと思っていても、トレーニング法がわからとないと困っていませんか?
私は「足が速くなる(スプリント)」トレーニング方法にインターバル走をオススメしています。

このページではスポーツのトレーニングにインターバル走を実施するポイントを解説しています!
- インターバル走の目的を知れる
- メニュー作成に必要なポイントを知れる
インターバル走を実施する際のポイントを理解することで、インターバル走を効率的に取り組むことができます。
スポーツとスプリントの関係
スポーツはどの競技でも「走る能力」が重要になります。
走力を向上させるトレーニングとして、長距離(マラソン)を走るプログラムが構成されやすいです。
私の経験
サッカーを競技者としてやっていた時は、基礎体力作りが大切だという考えから、競技の特性を考えずに長距離走に取り組んでいました。
それはスポーツパフォーマンス理論を勉強することで、目的とは違ったトレーニングだったと気がつきました。

「短い距離を早く移動する能力」と
「長い距離を早く移動する能力」は違います。
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ATP(アデノシン3リン酸)を再合成させる、3つのエネルギー供給機構を簡単に解説
長距離走のトレーニング目的とは?
長距離走のトレーニングの目的は
持久力や体力、筋力、心肺機能を鍛えることです。
走ることで心肺機能が向上し、酸素を効率的に取り込んで体内に送る能力が高まります。
走ることで筋肉が鍛えられ、脂肪が燃焼されるため、ダイエットの効果も期待でき、健康増進に有効です。
- 心肺機能の向上
長距離走を継続的に行うことで、心肺機能が向上し、心臓や肺の働きが良くなります。 - 筋力の増強
長距離走には、全身の筋肉を使うため、筋力が増強されます。 - エネルギー消費量の増加
長距離走は、有酸素運動に分類され、持久力を養うことができます。
また、有酸素運動を行うことで、脂肪燃焼が促進され、エネルギー消費量が増加します。 - ストレス解消効果
長距離走は、ストレス解消効果があるとされています。
運動によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制され、リラックス効果が得られます。
以上が長距離走のトレーニング目的です。
スプリント能力がスポーツで有利な理由とは?
スプリント能力は
スポーツにとって有利になる場面があります。
- スポーツの多くは短時間での高強度な運動が求められます。
例えば、サッカーやバスケットボールでは、スプリント能力が高い選手は素早いドリブルやシュート、守備のカバーリングが可能です。 - スプリントは爆発力を要する運動であり、筋力や筋持久力を養うことができます。
スプリントトレーニングによって、全身の筋肉を強化することができるため、スポーツ全般においてパフォーマンスの向上につながります。 - スプリントは、心肺機能を向上させる効果もあります。
高強度な運動によって、心拍数が上がり、呼吸が深くなるため、心肺機能を強化することができます。
これにより、スポーツにおける持久力が向上することにつながります。 - スプリント能力は、競技において勝敗を分ける要素となることがあります。
例えば、陸上競技の100m走や200m走では、スプリント能力が高い選手が有利です。
また、サッカーやラグビーなどでも、スプリント能力が高い選手は攻撃や守備において有利に働くことがあります。
以上のように
スプリント能力が高いことはスポーツにおいて大きなアドバンテージを与えることができます。
短い距離を爆発的なエネルギーで走る(スプリント)には、それに適したトレーニングがあります。
インターバル走の3つのポイント
インターバル走は
スプリントの速度を向上させるために非常に効果的なトレーニング方法の1つです。

- 運動強度の調整方法
- プレー場面による強度設定
- 目的に合わせた心拍数のコントロール
以上3つのインターバル走実施のポイントを解説します。
運動強度の調整方法
インターバル走の強度調整法は
スプリントとインターバルを交互にくり返し、走る「速度」「距離」「距離と時間」の要素を変化させることで強度調整をしていきます。

どの要素もスプリント時に最大努力の運動をすることが条件になります。
- 走る速度によって強度を変化
- 走る時間によって強度を変化
- 走る距離と時間によって強度を変化
以上、強度変化3つの方法を解説します。
走る速度で強度を変化

同じ距離でもスプリントの速度で強度変化をつけます。
- 100mスプリント
最大努力の走り - 50mインターバル
心拍数を整えることを目的としたジョグorウォーキング
時間は定めていない。
速度で強度変化をするメニュー例
- スプリント100m
- インターバル100m
(ウォーキングまたはジョグ) - 5回くり返す
速度で強度変化をするメリット
距離に対しての苦手意識を払拭するのに最適。
スプリントの評価がしやすい。
速度で強度変化をするデメリット
インターバルのウォーキング(ジョギング)の時間が終盤につれて長くなる。
心拍数が落ち着くのを待つと、強度設定が難しくなる。
グループで実施する場合、能力の高い選手と低い選手の差が出やすい。
走る時間で強度変化

- 15秒スプリント
最大努力のスプリント - 45秒インターバル
心拍数を整えることを目的にしたジョグ&ウォーキング
サッカーコート縦幅約100mを走るイメージ。
攻撃側のコーナーキックから、相手のカウンターを防ぐために帰陣するスプリント。
具体的なプレー
【歴史に残る伝説の14秒】
ロストフの悲劇5発にわたる打ち合いの結末
日本代表vsベルギー
4:00~昌子選手のダッシュ
時間で強度変化させるメニュー例
- スプリント15秒
- インターバル45秒
(ウォーキングまたはストレッチ) - 5セット
時間で強度変化のメリット
時間設定だと、終わる時間が決まっているのでプログラムしやすい。
時間で強度変化のデメリット
スプリントの走行距離に差があり、評価が難しい。
30秒~60秒の中距離走には適しているが、最大努力をことが難しい。
走る距離と時間で強度変化

- 100mスプリント
最大努力スプリント - インターバルゾーン
心拍数を整えることを目的としたストレッチorウォーキング
同じ時間の中でスプリントとインターバルをおこなう。
距離とスプリントの時間は定められている。
距離と時間で強度変化させるメニュー例
サークル1分 スプリント100m それを5回
距離と時間で強度変化させるメリット
最大努力をだしやすい。
速筋繊維を使ったスプリント強化に優れている。
距離と時間で強度変化させるデメリット
1回のサークル時間の設定が重要。
グループで行う場合、能力が低い選手と高い選手の強度に差が出る。
ここまで強度の変化方法を解説してきましたが、これからはプレー場面の想定について解説します。
プレー場面による強度設定

プレー場面を想定して、走行距離と休憩時間、セット数で強度変更が可能です。
走行距離 走行距離は競技で想定できる距離に設定します。
走行距離の設定
サッカーという競技であれば30~400mで距離の設定をします。
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スポーツ選手必見!SAQ(スピード/アジリティー/クイックネス)が勝負を決める!
想定する距離の幅が広いように感じますが、コートの縦ラインを何往復をすることもあります。
具体的なプレー
【2016/11/15】
一人シャトルラン状態の原口元気
ワールドカップ アジア最終予選
日本vsサウジアラビア
休憩時間の設定
スプリント時間の3~5倍の時間に設定します。
設定例
- 15秒(100m)のスプリントの場合
インターバル45秒~1分15秒 - 30秒(200m)のスプリントの場合
インターバル90秒~2分30秒
セット数
スプリントとインターバルを1セットとし、反復回数を決定します。
ポイント
過負荷の原則から、慣れてきたらセット数を徐々に増やしていく。
インターバル走に取り入れる時間をセット数で調整が可能です。
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フィジカルコーチがトレーニングの「3つの原理」と「5つの原則」を簡単に解説!
目的に合わせた心拍数のコントロール
プログラムの目的に合わせて心拍数の考え方が変わります。

プログラムを構成するのは最大努力のスプリントを高めること、心肺機能を高めること、2つのねらいがあります。
心拍数を測定する装置を使うことで、心拍数の数値に合わせてプログラムを構成することができます。
- 最大努力のスプリントを高めるねらい
- 心肺機能を高めるねらい
スプリントを高めるのか、心肺機能を高めるのかによって、プログラムの構成が変わります。
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【GPS搭載ウェアラブル端末】サッカー選手必見!でパフォーマンスを数値化する方法とは?
プログラム構成する2つも目的を解説
最大努力のスプリントを高めたい
最大努力のスプリントを高めたい場合は
心拍数が十分に落ち着き、スプリント前の安静時に達してからスタートする。

毎度、最大努力の運動ができるようにします。
心肺機能を高めたい
心肺機能を高めたい場合は
心拍数が安静時まで下がる前にスタートする。

心臓と肺にストレスを与える状態をつくりだす。
トレーニング例
- 安静時の心拍数60拍/分
- 最大努力時の心拍数が160拍/分
- 10回スプリント
2本で10%ずつ心拍数の設定を高くする。
スプリント 本数 | 設定 心拍数 |
---|---|
1・2本目 | 60拍/分 |
3・4本目 | 70拍/分 |
5・6本目 | 80拍/分 |
7・8本目 | 90拍/分 |
9・10本目 | 100拍/分 |
ボルグスケール
簡単な心拍数測定法は主観的運動強度(RPE)/ボルグスケール
▽▼▽外部リンク▽▼▽
健康寿命ネット/心拍数と運動強度
等級 | 主観的運動強度 |
---|---|
6 | |
7 | 非常に楽である |
8 | |
9 | かなり楽である |
10 | |
11 | 楽である |
12 | |
13 | ややきつい |
14 | |
15 | きつい |
16 | |
17 | かなりきつい |
18 | |
19 | 非常にきつい |
20 |
等級の数値に10倍した数値がおおよその心拍数といわれています。
例:等級15(ややきつい) ✖ 10 =150拍/分
GPSウェアブル端末
より明確な数値でトレーニング中に心拍数の測定をする場合には、GPS搭載のウェアブル端末がオススメです。
まとめ
このページは
走りが速くなるスプリントトレーニングの1つとして、インターバル走をとりあげました。
インターバル走を実施する上でポイントとなる3つの要素があります。
- 運動強度の調整方法
- プレー場面による強度設定がしやすい
- 目的に合わせた心拍数のコントロールする
インターバル走を行う際に強度の調整方法に関わるのが【速度】【時間】【距離と時間】の方法です。
スプリントの能力を向上させることが同一の目標であっても実施方法を変えることで体に様々な負荷を与えることができます。
ポジションによって、スプリント能力に特異性がでます。
それに合わすことができるのがインターバル走をオススメする理由です。
心肺機能を高める目的なのか、スプリントで使う筋力を向上させることが目的なのか、目的を明確にして実施していただければと思います。
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