【サッカーの試合で走り勝つ】インターバル走の4つの効果を解説

インターバル走の説明 スポーツパフォーマンス理論
フィジカルコーチ<br>秋山拓実<br><a rel="noreferrer noopener" href="https://funfunfitness.jp/profile/" data-type="page" data-id="88" target="_blank">【Profile】</a>
フィジカルコーチ
秋山拓実
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 私は高校サッカー部でフィジカルコーチをしています。選手から「試合で走り勝つ体づくり」についてアドバイスを求められました。試合の途中で足の筋肉が痙攣してしまったり、息があがって最後まで良いパフォーマンスを維持できないようです。

サッカーという競技は、ゴール前では爆発的なスプリントが必要で、前後半合わせて90分という時間を動き続ける競技特性があります。そんなことから、今回はサッカーの試合で走り勝つインターバル走の3つの効果を解説します。

インターバル走の4つの効果

 インターバル走を取り入れることで、体の生理機能にも変化がおきます。試合で相手選手より多くのチャンスを作り出し、足の筋肉が痙攣することなく高いパフォーマンスを維持できる体が走り勝てる体です。

インターバル走の4つの効果/

  • 爆発的な動作をくり返すことができる
  • 最大酸素摂取量の向上
  • 心拍数が安静時の状態に戻りやすくなる
  • エネルギーの供給時間が早くなる

爆発的な動作をくり返すことができる

インターバル走

爆発的な動作は筋肉の速い収縮によって可能になります。スプリントのトレーニングによって筋肉の速筋繊維が高まります。

速筋繊維の特徴
筋肉の色が白くみえることから、白筋とも呼ばれています。素早く収縮できる特性があり、瞬発力やパワーが必要なときに活躍します。その反面、持久力的な動きには不向きな筋線維でもあります。

遅筋繊維の特徴
筋肉の色が赤くみえることから、赤筋とも呼ばれています。収縮スピードは遅く、発揮する力も弱い。その反面、疲労しにくいため、力を長時間発揮することに優れている。

最大酸素摂取量の向上

最大酸素摂取量とは、1分間に酸素を体内にどれだけ取り込めるかを示します。酸素を多く取り込めている方がエネルギーが体内で再合成されやすいということです。

VO2MAXと表記され、(Ⅴ)は量、(O2)は酸素、(MAX)は最大限を意味します。

心拍数が安静時の状態に戻りやすくなる

心拍数、心臓の画像

激しい運動に適応した、スポーツ選手の心臓をスポーツ心臓といいます。スポーツ心臓は肥大することから一度に送り込める血液量が増えます。よって、心拍数が上昇しても、心拍数が戻りやすくなります。

スポーツ心臓
成人の安静時の心拍数は60~80拍/分といわれています。

スポーツ心臓は安静時の心拍数が59拍/分以下をいいます。

エネルギーの供給時間が早くなる

心拍数が安静時の状態に戻るには、細胞内のミトコンドリアの働きがあります。ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを再合成します。ミトコンドリアの数が多いほど供給時間が早くなり、何度もスプリントをくり返せるようになります。

ATP(アデノシン3リン酸)を再合成させる、3つのエネルギー供給機構を簡単に解説(リンク)

インターバル走実施の3つのポイント

強度の高低差を明確にだします

インターバル走はサッカーの走力向上に有効なトレーニング法といえます。それはサッカーという競技が間欠的なスプリントをする競技だからです。

インターバル走実施の3つのポイントを押さえることで、サッカーのプレイ場面を切り抜いたようなスプリント練習が可能になります。

インターバル走実施の3つのポイント/

  • 強度変化の3つの方法
  • 場面による設定がしやすい
  • 心拍数の上下をコントロールする

強度変化の3つの方法

スプリントとは短距離における最大努力をいい、インターバルとは休息を意味します。

スプリントとインターバルを交互に繰り返し、走るスピード・距離・時間によって強度変化をおこなっていきます。

\強度変化の3つの方法/

  • 走るスピードによって強度を変化
  • 走る距離によって強度を変化
  • 走る時間によって強度を変化

走るスピードで強度の変化を出す場合

同じ距離でもスプリントのスピードで強度変化をつける。時間は定められている。

〈メニュー〉
スプリント100m
インターバル100m(ウォーキングまたはジョグ)
それを5回くり返す

〈メリット〉
距離に対しての苦手意識を払拭するのに最適。
スプリントの評価がしやすい。

〈デメリット〉
インターバルのウォーキング(ジョギング)の時間が終盤につれて長くなる。心拍数が落ち着くのを待つと、強度設定が難しくなる。

グループで実施する場合、能力の高い選手と低い選手の差が出やすい。

時間で強度変化を出す場合

延長後半 昌子源選手の14秒間のスプリント

サッカーコート縦幅約100mを走るイメージ。攻撃側のコーナーキックから、相手のカウンターを防ぐために帰陣するスプリント。

時間は定められている。

〈メニュー〉
スプリント15秒
インターバル45秒(ウォーキングまたはストレッチ)
それを5回

〈メリット〉
時間設定だと、終わる時間が決まっているのでプログラムしやすい。

〈デメリット〉
スプリントの走行距離に差があり、評価が難しい。30秒~60秒の中距離走には適しているが、最大努力をことが難しい。

距離と時間で強度変化を出す場合

同じ時間の中でスプリントとインターバルをおこなう。

距離とスプリントの時間は定められている。

〈メニュー〉
サークル1分
スプリント100m
それを5回

〈メリット〉
最大努力をだしやすい。速筋繊維を使ったスプリント強化に優れている。

〈デメリット〉
1回のサークル時間の設定が重要。グループで行う場合、能力が低い選手と高い選手の強度に差が出る。

場面による強度設定がしやすい

プレイ場面を想定して、走行距離と休憩時間、セット数で強度変更が可能

走行距離

走行距離は競技で想定できる距離に設定します。

サッカーであれば30m~400mにする。

休憩時間

スプリント時間の3倍から5倍の時間に設置します。

15秒(100m)のスプリントの場合
インターバル45秒~1分15秒

30秒(200m)のスプリントの場合
インターバル90秒~2分30秒

セット数

スプリントとインターバルを1セットとし、セット数を決めます。

過負荷の原則から、慣れてきたらセット数を徐々に増やしていく。インターバル走に取り入れる時間をセット数で調整が可能です。

心拍数の上下をコントロールする

プログラムを構成するのは最大努力のスプリントを高めることと、心肺機能を高めるのか、2つのねらいがあります。

心拍数を測定する装置を使うことで、心拍数の数値に合わせてプログラムを構成することができます。

GPS搭載ウェアラブル端末でパフォーマンスを数値化(リンク)

\プログラムを構成する2つのねらい/

  • 最大努力のスプリントを高めるねらい
  • 心肺機能を高めるねらい

スプリントを高めるのか、心肺機能を高めるのかによって、プログラムの構成が変わります。

最大努力のスプリントを高めたい

心拍数が十分に落ち着き、スプリント前の安静時に達してからスタートする。

心肺機能を高めたい

心拍数が安静時まで下がる前にスタートする。

トレーニング例

  • 安静時の心拍数60拍/分
  • 最大努力時の心拍数が160拍/分
  • 10回スプリントをする場合、10%ずつ強度を上げることも可能

1本目60拍
2本目70拍
3本目80拍
 :
9本目140拍
10本目150拍 

まとめ

 サッカーの試合で「走り勝てる体づくり」を目的に、インターバル走を解説しました

インターバル走の効果

  • 爆発的な動作をくり返すことができる
  • 最大酸素摂取量の向上
  • 心拍数が安静時の状態に戻りやすくなる
  • エネルギーの供給時間が早くなる

インターバル走実施の3つのポイント

  • 強度変化の3つの方法
  • 場面による設定がしやすい
  • 心拍数の上下をコントロールする

実際にトレーニングにインターバル走を導入してみてください。トレーニングを継続することで、スプリント後に心拍数が安静時に戻るスピードが早く感じることができたり、スプリントの速度が速くなっていることを体感できると思います。

サッカーの試合の中でスプリントを存分に発揮して下さい。

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